dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】日本統一外伝 田村悠人

 時間軸は『日本統一44』の直後からで『山崎一門』のようなコミカル要素は少なく、映像の色合いは本編よりも黒っぽい。山崎メンバーの出番はかなり少なく、久々に馬場組長や植木組長や右翼の堀井が出てくる。若い山崎メンバーとは雰囲気が異なり、渋いオヤジ達がいい味を出している。

 本編の茨城進出時に追加のエピソードがあって、ここが少し分かりにくい。丸神会系東龍会に実は裏切り者がいて、田村悠人がその男を殺していたのが追加の話なのだが、明らかに後付けの話で本編をずっと観ているとそれが具体的にいつどんなタイミングだったのかはよく分からない。殺した男に家族がいて幼い娘と偶然公園で出会して、田村悠人がその子を気にかける。携帯の電源を切って定例会まで無断欠席して少女を気にかける動機があまり深く描かれていない。公園のシーンが少し長く、思い遣った所で具体的に何をしようとしているのかが掴みづらく、他の子供達に菓子を配ってやっと住所を聞き出したり今までの田村悠人より行動スピードが遅い。殺した男の家族の為なら自分はどうなってもいいという田村悠人の理由が描き切れていない、というより最初からそこに理由はないようにも見える。別の解釈ならば典型的な鬱状態とも取れる。昔の田村なら相手に家族がいようがエレベーターの中で殺したり、北海道進出の際には返事をしなかった組長をいきなり射殺したりとイケイケだったはずだ。優しくなりすぎた田村悠人が少し心配になる。

 今作は完全に『田村悠人2』とワンセットで侠和会に弱みを握られた議員と組んだ右翼との殴り合いの所で終わる。一本でも十分作れたと思うが次作で何か新しい展開があるのかないのか、やっぱり気になる!!