dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】2067

 2020年製作のオーストリア映画。西暦が題名になっている映画は何かこう視聴者に対して重要なメッセージを訴えかけている気がしたから借りてきた。西暦2067年は地球の植物が絶滅していて、人口酸素の謎の副作用でどんどん人が死んでいくという世界設定。400年後の世界からタイムマシンに謎のメッセージが届いて主人公が未来に送られる。壮大な世界観と人類救済の為に未来から治療法を持ち帰るという重大ミッションで凄まじい推進力で冒頭から物語に引き込まれていく。

 約400年後の2474年の世界がどんな風かワクワクするのだが、ここから少しスモールダウンしていく。殆どジャングルや建物の入り口しかマップが登場せず、荒廃した世界を少し見るシーンもあるが、タイムマシンの施設内のみでストーリーが進む。未来世界がとても狭く感じられて急に映画のセットの中に舞い戻ったような奇妙な感覚があった。未来に人を送るのは主人公の1回きりが限界だったのに、すぐに友達が未来に駆けつけてくる。治療法を持ち帰るはずのミッションなのに自分が過去に帰る事だけを不自然に考える友達が最初から怪しすぎる。マップの狭さや友達の軽い言動がストーリーの壮大感を急速に失わせたような気がする。

 未来に着くと何故か主人公の死体があってこれが最初何が何だかわからない。駆けつけた友達も何故かこれをあまり気にしない。荒廃した未来に対しても友達は至ってクールすぎる。友達の思考回路が最後までよく分からなかった。友達が未来に駆けつけるタイミングが少し早過ぎた。もう少し主人公だけで未来を探索して謎を追っていく感じの方が良かった。

 未来の主人公の死体の謎、父親の死因、本当のタイムマシン計画、友達の正体など、ストーリーの設定が結構しっかりしているが1回目だとかなり分かりにくい。2回目に確認しながら観ると面白い。父親が殺される2047年も随所に挿入されるから混乱しやすい。未来に行ってもなんにもなかったという設定が面白い。時間軸は一本ではなくバックトウザフィーチャーの逆で未来で色々やると今度は過去が変わる。友達の突然の自殺で過去が変わった!?(自殺の理由は2回観ても不明)。タイムマシンに自分の代わりに植物送って、妻にちゃんと花を送っていたり、かなり感動できる。低評価なのが信じられない。