dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】やまざきいちもん 日本統一

 冒頭にカタギになった三上が久しぶりに登場する。ここで日本統一を最初から観ていた人にとっては結構大事な場面が隠されていて、それは大宮を殺した三上の罪を被って服役した斎藤との対面である。三上と斎藤との因縁の会話のオチが面白い。斎藤「殺す!」としっかりギャグを決める。

 冒頭が終わってそこから1時間、完全な間話状態が続く。事務所でゲーム、ゴルフなどただ場面場面が続く。ストーリー性が全くない。ユーチューバーらしい川上が出てきて日本統一商品のコピー商品の対策の話、そこからナレーションの森羅万象や主題歌の歌手の登場、ゴールデンボンバーの翁長のギター演奏などサービスシーンはあるもののただひたすらに場面場面を見せられる。正直、日本統一本編の撮影合間の俳優同士の一場面をそのままついでに撮ったような感じで、実際にワンカットシーンも出てくる。そのワンカットシーンがいつものシーンとそれほど差がない事にも気がついた。完全な間延び状態が続いてしまう。

 自分達で日本統一を客観的に語るシーンもあってその中で最近、ヤクザ映画を好む任侠女子がいるらしく、その層に合わせる為に暴力的な表現を抑えているとの事。しかしそれはまさに本末転倒にならないだろうか。暴力的な表現を抑える事は逆効果、というよりも無関係だと思う。単純にイケメンの氷室蓮司や山崎メンバーが女性側にも受ける事もあるだけで、ヤクザ映画の暴力的な部分はそのまま加速すべきだと思う。昔、『ファイナルファンタジー』の映画化があってこれを一目見た瞬間にアメリカを意識してしまったものだと思った。そのまま日本風のファンタジー的な部分を売りにすべきだったのに海外風、ハリウッド風のキャラやストーリー設定に忖度してしまったのも失敗の一因だったと僕は思い出した。忖度するとどっちでもない訳のわからないものが出来上がる可能性があってそれは避けるべきだろう。

 後半に次に山崎メンバーで死ぬのは誰かとコックリさん占いをやっていたら、その答えが大宮ハヤト(今作のゲストメンバー)ってのは有り得ん!もうヤクザ映画らしく迫田組に一気に2人ぐらい殺されてもいいかもしれない。その後、髪型を変えたかった石沢が坊主にされる。ワンショットの演技ではない素の雰囲気のメンバーが見られる。ちなみに日本統一関東編では坊主の石沢が出てくるので時系列的にはこれより後だと分かった。放送は関東編の方が先。日本統一58の後ぐらいが関東編の時間軸になる。

【映画感想】日本統一58

 テンポよく急展開が続く中々面白い回。横浜の撮影風景は『龍が如く』の異人町みたいだ。中森組や鋼会のメンバーが次々に死んでいく。危篤状態から復活して中森組組員にとどめを刺しにくる岩尾がやっぱり良い味を出していた。いつものパイナップル頭を下ろして肩まで髪を下ろしていてカッコいい。元警察幹部の三谷や鋼会会長、政治家の黒幕も自殺したり急死したりで面白い。死ぬ場面がカットが切り替わって音だけになったりせずにちゃんとリアルにワンカットで残酷な描写にして欲しい。露骨な残酷シーンを思い切って増やすべきだ。鋼会に狙われて川谷会長が別の家に移動を検討する場面は『山崎一門9』と話が繋がってくる。

 黒幕が全員死んだのに話はまだ終わってなくて謎の狂信団体が背後に存在している模様。麻原マーチにそっくりな歌が度々流れてきて、それが一体何だったのかは今作までには殆ど説明はない。死んだ政治家の代わりにそこの教祖が出馬するという所で終わる。日本統一では伏線を作ったり謎を残したりするような描き方は今まで殆どなかったが今作では少し先が気になるような謎を残してくれた。日本の表と裏に蔓延る「タカハラショウコウ」とは一体何者?

【映画感想】日本統一外伝 山崎一門9~世にも奇妙な山崎一門~

 川谷雄一が体をかわす為の別荘に幽霊が出てくる話。冒頭から約30分、山崎メンバーの怪談話に間延び感があって終始メンバー、特に斎藤の叫び声がワーワー鳴り響く。他の作品でも思う事だが冒頭の事務所内の山崎メンバーの会話が少し長く、もう少し早く本題に入っても良いと感じる。最初のやり取りの部分は5分以内でもっとコンパクトに済ませて本題の密度を上げるべきだ。新しい事務所(氷室組)に山崎一門は集まるようになったが、事務所シーンが少し多すぎる気がする。

 別荘の謎の心霊現象は特に怖くもなく、それは山崎一門が集団で押し寄せてずっと騒ぎ立てる場面が続くからでもある。氷室が心霊現象の原因を冷静に探る辺りから少し面白くなってくる。実際には心霊現象ではなく二つの原因が折り重なっていて、この辺りの密度や構成をもっと練ったらさらに面白くなったかもしれない。カビの菌にLSDの物資が含まれていてそれが心霊現象の正体という研究結果があるらしい。売りに出されていた別荘は詐欺被害者のもので、後半では投資詐欺の黒幕と戦っていつも通りの喧嘩バトルで決着をつける。心霊現象の正体はカビと子供のイタズラなのだが、斎藤だけは別荘に行っていないのに震いながら幻覚を見ている。最初から最後まで斎藤の叫び声が流れ続ける!作品全体としてはあともう少し深い練りや構成があったらよかった。

【映画感想】日本統一57

 事件の収束が早くて少し分かりにくい。中森組組員が謎の麻原マーチに襲われた後になぜか黒幕側に取り込まれてから一気に予定調和的に話が進む。謎の麻原マーチは黒幕側の人間で、その黒幕は破門寄せ集めヤクザを集めたハガネ会という組織で、その組織に所属するナイスミドルというあだ名の男がチンコロ野郎の正体。さらにそのナイスミドルの件を氷室が警察のサハラに聞くと「ひょっとするとあいつの事かも」とすぐさま一瞬にして身元が繋がっていく。話の収まりが早い。元々、七人会との対立を描く予定が渡辺裕之が突然亡くなってしまった為、急遽ハガネ会の絵図という話に切り替えられた可能性もある。神経質の松宮警部がいい味を出していて、妻の浮気を気にして発狂して、遂にサハラと殴り合ったりでもうメチャクチャになっていって面白い。

 丸神会迫田組は出てくると必ず渋い存在感がある。迫田組組長迫田常夫(中野英雄)のイメージはかなり古いが「愛という名のもとに」で上司を殴っていきなり自殺する役、「特命リサーチ」の頼りないエージェントが強く印象に残っているが、いつの間にか貫禄のあるヤクザ役が様になっている。さらに田村悠人の友達?の迫田組若頭岩尾英輔も素晴らしい存在感がある。今作のラストでハガネ会にボコボコにされて、取り押さえられて、最後は撃たれて確実に死んだと思われるがよく分からない。悲壮感のある岩尾の立ち振る舞いが素晴らしい。侠和会vs迫田組の抗争が早く観たい。

【映画感想】日本統一外伝 山崎一門8~警視庁VS山崎一門~

 ゴールデンボンバーの翁長照邦が主人公。副題に警視庁vs山崎一門と書いてあるので、警察ぐるみの大きな組織と何らかの戦いを描いていくと思っていたら全然違っていた。最初に事務所に強盗を無理やりさせられていたパルクール兄弟が出てきて、その後、強盗団と悪徳マル暴がグルになっているのが分かり、パルクール兄弟やその妹を山崎メンバーが助けに行くという展開で、大きな組織とぶつかり合うような内容ではない。ちょっと題名が大袈裟でしかも冒頭の題名表示では警視庁ではなく県警となっていて詰めの甘さを感じた(警視庁と県警の違いはよく分からん)。

 ストーリーも平坦で少し面白みに欠ける。妹を失った翁長の過去をもっと掘り下げても良かったかもしれない。本編にも思う事だが、組織の関連性などの大きい部分はもっと適当に描いて、心情描写をもう少し深掘りした方がいいと感じる。その点は前作(山崎一門7)がうまく出来ていた。今作にも一瞬『タクシードライバー』のオマージュが出てくる。ロッキー、ダースベイダー、ゴッドファーザーと最近の作品は洋画の小ネタに凝っているようだ。ちなみに日本統一はそれらの映画とは全くジャンルが異なり、極めて部分的にパロディー化しているだけである。後半の翁長がアサルトライフルを構える場面は中々緊張感があって、ラストに氷室田村が「ようウジ虫」と悪徳マル暴を徹底的にブチのめすシーンはカッコいい。こういった緊迫感、残虐性をもっと増やして欲しい。翁長が時々叫んでいた「なんくるないさー」というのは沖縄の方言で意味は「どうにかなるさ」で、今作を観てやっと理解できた。

【映画感想】日本統一56

 侠和会が何者かに立て続けにチンコロされ、それを探っていく展開。新しい人物が多数登場し、誰が何とどう絡んでいるかが少し分かりにくい。谷崎(マル暴)、浜田(オンラインカジノ決済代行会社?)、宮下(元岸本舎弟、浜田はフロント)、田宮(5000万給付男)と新たな人物をしっかり把握しないとよく分からなくなる。警察側は松宮と佐原で、松宮の元にチンコロが入ってきているらしい。谷崎、浜田はグル、宮下も取り込まれそうになっていたが3人とも今作のラストで全員死んで全体像は殆ど分からないまま終わる。松宮警部と浜田の間に何らかの人物が関わっているらしい。その人物や組織が今後の新たな敵らしい。その新たな敵の麻原彰晃風マーチの仮面の男は岸本と佐原を刺す。今作では全く状況が収束されない。

 前作まで七人会が出てきたが今作には全く出てこなくなる。渡辺裕之が突然亡くなってしまった為の急遽新たな転換かもしれない。侠和会を嵌める流れが当初は七人会の絵図だった可能性もある。山崎一門が「ファイト一発」とドリンクを飲むシーンは明らかに追悼の意味合いがあった。それから、『日本統一関東編』の最終話で明らかに鈴森が殺されるシーンがあったのに今作では彼が普通に出てくる。時系列的には今作の方が後になってくるはず。日本統一は必ず公開順に観ている。今作だけではいろんな状況が把握しきれない。次作以降でさらに盛り上がってきそうだ。

【映画感想】日本統一外伝 山崎一門7〜小さな恋のヤマザキ〜

 今作の主演の山村義明(川崎健太)が素晴らしい存在感を放っていた。超イケメン(今作では彼のアップのカットがたくさんあるが、本当に超イケメンだ)で不良だが実は奥手でアニオタという設定がバッチリ決まっていて、随所に入る露骨な下ネタもタイミングや間合いが上手く、笑えるシーンが沢山あった。中島勇気が山村の初恋の女性と一緒に働いている喫茶店のおばさんを思いっきり茶化す場面も面白く、出演女優に少し申し訳ないと思える程酷い台詞や場面もあったが、こちらも間合いが決まっていて面白かった。風俗嬢が中島に「氷室さん」と近寄って来るシーンも面白い。今までの外伝、本編も含めて、笑いの構成が一番洗練されているように感じた。山村の超イケメンだが少し神経質なオタクの見せ方が上手く、キャラクターの魅力がより一層惹き立たされた作品だ。

 ストーリーの構成も中々良くて、最初はコミカルな場面がずっと続くのだが後半には初恋の人に実は彼氏がいて泣ける場面、自分の気持ちには正直になったほうがいいような考えさせられる場面もあり、起承転結がしっかりしていた。初恋の人との別れという少し泣ける場面の後、事務所に帰った山崎メンバーがセンズリをやっていると思わせ、氷室蓮司が「ここで一体何やってんだ!」と蹴りをぶちかます場面もタイミングが良くて面白い。笑いでしっかりと締めくくる。コミカルな山崎メンバーのノリや、笑いの絶妙なタイミングがマッチしていて、日本統一特有のユーモア感が洗練されつつある。