dw821memories’s blog

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【映画感想】スパイラル:ソウ オールリセット

 ソウシリーズは全て観てきた。「オールリセット」というタイトルがあるのでリブートのようにストーリーや世界が一新されているのかと思っていたらそうじゃなく、一連のジグソウ事件が起きたその後の続きの物語となっている。

 今作もソウシリーズ恒例、冒頭の残虐ゲームから始まる。警官が地下鉄のトンネルに自分の舌で体が吊るされていて、全体重を乗っけて舌を引きちぎるか、そのまま電車に轢かれるか、選択を迫られる。粘ったあげく、舌が引き千切れたと同時に電車にも轢かれてグチャグチャのバラバラになって、根本から引き抜かれた舌だけが天井にぶら下がっていて、メチャクチャ面白い。僕は昔からこの手の映画が好きで、グチャグチャ死体になる場面とか残虐シーンとかスロー再生で必ず見ている。怖いけど面白い。バラバラの内臓の作り方もリアルで迫力がある。グチャグチャ死体になった後でソウのタイトルロゴが表示されてテンションが上がりまくる。

 しかし今作の山場は冒頭のこの場面で、いまいちその後の盛り上がりに欠ける。まず最初に感じたのは今までのシリーズ特有の「密閉感」がない。前作までは必ず誰かが物語と同時進行で密閉空間での残虐ゲームが行われていたが今作にはこれがなく、主人公の警官バンクスは外にいて同僚が殺されてから事件を追う流れ。途中の警官や家族の会話のシーンも無駄に長いように感じた。密閉感もないし時間に追われている感じもない。事件の後で追いかけるから緊張感がない。

 さらに主人公の相棒が事件に深く絡んでくるけど、これが最初から分かりやすい。ソウシリーズをずっと観てきた人なら尚更すぐに感づくだろう。相棒が最初からミステリアスと知的な雰囲気を醸し出し過ぎていて、絶対に何かあるとすぐにわかる。ラストシーンも死んだはずの相棒の登場が早すぎるし、説明シーンが長すぎる。あのシーンは父親の拷問シーンを最初に始めてエンドロール2分前ぐらいから端的に一気にどんでん返しをするべきである!黒幕が簡単に予想できるし、最後の登場の仕方があっけなさ過ぎる。

 相棒がジグソウ事件をなぜ模倣したのか、それとも実はジグソウと何らかの接点があったのか、今作ではその辺の説明が全くない。ジグソウの弟子もまだ生きているはずだし、次作以降にもまだまだ期待できそう。今作で全然オールリセットしてない、しっかり世界は繋がっているぞ!