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【映画感想】バック・トゥ・ザ・フューチャー

 なんと初めて『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観た。今まで観たと思い込んでいたのだが、それはパート3だけだった。ブルーレイ版を借りてきた。もう40年前の映画なのか!

 まずタイムトラベルについて。時間軸が初代『ターミネーター』のように完全に一本に繋がっているのかどうか気に留めながら観ていた。ラストでマーティが過去から現在に帰って来た時に出発前の自分自身が出てきて「これは一本の軸だ」と思っていたら、家族のシーンでは両親の状況などが全く変わっている。過去のシーンで若い頃のウィルソンが出てきてマーティが市長になる事を促して彼にそのきっかけを与える。市長の話はわかりやすい一本の軸なのだが、両親の状況は過去に行ったマーティの行動によって戻って来たら現在が変わっている。出発前には時計台が壊れていなかったり、モールの名称が「TWIN PINES MALL」から「LONE PINE MALL」に変わっている。過去でいろいろやって現在に戻るとそれに関係した部分が変わっているという設定。時間軸は一本だけど関係した部分だけ変わる。ドクは最初から防弾チョッキを着ていたのだろうか?(市長の設定のように一本の軸)。それとも現在が書き換えられたのだろうか?(両親のような設定)。この辺りはあまり深く考えない方がいいと思う。

 たぶん脚本の段階では至って平凡というか、典型的なB級映画の題材だと思った。タイムスリップして高校時代の両親達とドタバタ劇を繰り返し、コミカルな要素がとても面白くてコントのように笑えるシーンもある。この映画の中心は本来そこだけなのだが、その他のあらゆる部分が徹底的に洗練されていて、まさにパズルのピースが全てハマったかのような、B級映画の究極昇華映画と言える。デロリアンが冷蔵庫のままだったらそれだけで全く別物の作品になっただろう。テーマ曲がもう凄すぎる。小柄なマイケルの飛び跳ねるような演技やロイドのオーバーリアクションが映画の雰囲気にピッタリだ。予算の都合で核実験場や鉄道のシーンがそれぞれ時計台と肥料トラックに変更になったことすらも、余計に面白くなった。社長の指示でブラウン教授からドク博士への呼び名の変更もマッチしてる。さらに映画の中で本来「ギガワット」とするのを「ジゴワット」と間違えて作ってしまったのだが、この響きが逆にこの映画のコミカルな雰囲気に妙に噛み合って聞こえてくる。映画ポスターもインパクトがある。細かい部分や変更点が全部上手くいって、さらにはミスした部分ですら輝きを放っている。

 ネタは平凡だけど作りが奇跡的に全部パーフェクトに仕上がったような映画だと思った。さすがスピルバーグだな。次はパート2、順番に観ていく!