dw821memories’s blog

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【映画感想】日本統一20

 いい意味で1時間20分が長く感じた。これまでの日本統一で一番の盛り上がり。九州や丸神連合の問題が一気に終結へ。本当の親子の川谷と丈治が酒を飲むシーンや工藤会長が初めて怒鳴ったり見応えのある場面が凝縮している。さらに衝撃の菅谷謙太の最期、そして工藤会長の隠退と次から次に物語が展開していく。

 侠和会川谷組幹部に刺された鶴見は丸打組の仕業と勘違い、丸打の事務所に一台ずつトラックを突っ込ませる計画を練る。ちゃんと数台の大型トラックが連なって発進していく場面があって面白い。鶴見は丸神連合本部に乗り込んで若宮猛の頭にリボルバーを突きつける。仁王立ちの若宮がカッコいい。何もやっていない若宮が酷い状況に追い込まれていて、これも全て前回の川谷組のせい。以前、菅谷が水神会系の事務所にカチコミしてしまった時に若宮が指を詰めて全てを水に流してくれた事もあった。その報いがこれか。恩を仇で返す川谷組の暴走、これは忘れてはならない事。ギャグっぽく処理すべきじゃない。少なくとも若宮本人には事実を伝えるべきじゃないのか。今回の丸神連合一本化での出来事は任侠の道においては丸神に一歩先を行かれた感じがする。暴走する鶴見の前に前会長瀧島が現れて間一髪で事態は収束。『スラムダンク』の三井と安西監督のシーンみたいで泣ける。丸神連合はついに丸神会に。

 菅谷が死んでしまう事は少し前にどこかの記事で見た。てっきりあのまま病室で死ぬかと思ったらそうじゃなくて衝撃の展開が待ち受けていた。西日本睦会の会合を襲撃した山崎組は福本らを射殺してひと段落と思いきや、その後、潜んでいた侠和会工藤組系財前組にいきなり撃たれる!すると病室で寝ていたはずの菅谷謙太が氷室蓮司の前に突如立ち塞がり銃撃の盾となる!一瞬、誰が盾になったかわからないぐらい速いシーンだけと背中の入れ墨と包帯で菅谷だとわかる。財前も頭をぶち抜かれて即死。福本、財前、菅谷とメインキャラが一気に死ぬ。菅谷「おじさん、俺すげえ楽しかったよ」氷室「テメエ、ふざけんじゃねえぞこの野郎!」今までのシリーズで氷室が感情を露わにしたのは三上組から巣立つ時と手形事件の天竜会組長殴打の時ぐらいか。普段静かな物腰の氷室が巻き舌になって感情がこもって凄い演技だ。菅谷謙太は氷室の甥という設定で、個人的にも注目していた人物だった。味のあるキャラで好きだったな。衝撃的。しかも襲ったのは身内。氷室の活躍の嫉妬に狂った工藤派の暴走。

 衝撃的な急展開の余韻が残っている中、さらなる新展開、それは工藤会長隠退。工藤組の暴走の責任を取る形なのだが、山崎組が強くなりすぎて会長の力が弱くなったところが上手く描かれていた。結局、工藤会長と氷室が絡む場面は殆どなく、町田襲撃の時に一度意見を言っただけだったような。

 いろんな衝撃の余韻を残したまま、親子盃のシーンに突入する。このシーンがとてもいい雰囲気があって、急展開を自分の頭で整理したり回想したりできて、なんとも言えない空気感、没入感があった。今作は今までの日本統一で最高。話も一区切り。田村悠人は菅谷謙太のネクタイを付ける。工藤組組長渡部は一体どうなった?次は『日本統一21』、順番に観ていく!