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【映画感想】日本統一9

 冒頭、いきなり信闘会会長が出てくる。信闘会会長は死んでなく、最初は別のヤクザ組織にでも移ったと思われたが、次のシーンで氷室に殺されたはずの信闘会幹部も出てくる。つまり2人とも全く別の役で再登場と分かった。さらに岐阜の柳ヶ瀬連合会会長の名前が間違ったテロップで表示されるなど、冒頭で少し混乱する場面があり話が頭に入りずらい。同じ俳優で全く違う役の登場のすぐ後で別の登場人物のテロップが違ってくるとなると奇妙なユーモアすら感じる。話が理解できてくると今作は奥行きのある展開でなかなか見応えがある。
 
 侠和会の次のターゲットは名古屋。名古屋老舗ヤクザ組織(重光一家)が広島の玄誠会と関わりがある事に目を付ける。山崎組幹部の町田駿がカチコミをされて瀕死の重傷を負いながらも自分でタバコに火をつけるシーンで『とんぼ』の最終回を思い出した。ヤクザが死にそうな時にフラフラな手でタバコを吸うのはなぜかとても様になるのはなぜだろうか?氷室蓮司が知略で物事を進めていたにも関わらずまたまた甥の菅谷謙太が町田の仕返しのために余計なカチコミをしてしまう。それが元で関東の兄弟分の幹部が指を詰める羽目に。氷室が頭を下げついに菅谷は破門に。暴走と仕返しの連鎖が始まり元信闘会役(現重光一家)の2人もあっけなく死んでしまう。重光一家若頭補佐大沢五郎(元信闘会会長役)はイイ奴。氷室と馬が合っただけに自分で頭をブチ抜いたのが勿体ない!さらに、三上組の傘下になって存在感のあった金澤宏之が弟の焼肉屋で突然襲われて殺されてしまう。殺した役者の発狂の声が良かった。人をやっちまったというリアル感がうまい。
 
 菅谷謙太は自身の立ち振る舞いのせいで町田と川上は刑務所、関東の兄弟分幹部は指詰め、金澤は殺害と、もはやボロボロの状態に。そんな中ですら見捨てないのが田村悠人。「気持ち」で動いてしまう男の気持ちが分かる男、それが田村悠人。菅谷の暴走のきっかけとなった町田襲撃や金澤殺害の実行犯に対し、しっかりと落とし前を着けにいく。エレベーターの中での殺害シーン、残酷だが色々と考えさせてくれる。
 
 騒動の末、名古屋老舗組織も傘下にした侠和会。破門となった菅谷謙太はどうなってしまうのか。次は『日本統一10』。