dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】ショーシャンクの空に

 高評価をあちこちで見かけるので観てみた。

 主人公アンディは無実の罪で終身刑となり刑務所に入れられてもそこで出来る事をする。イジメに耐えることから始まり、図書係になればそこをより良く改善しようと何年も予算申請の手紙を送ったり、新入りの若い受刑者には基礎から勉強を教えたり、そして密かに脱獄のための穴を20年も掘り続けていたりする。一方、刑務官は悪事や不正に手を染めていて対照的に描かれていた。刑務所という極限の場所ですら出来ることがあり、その出来る事の積み重ねの大切さに共鳴できる。

 そういった大切なメッセージ性も良かったが、個人的にはやはりラストの一気に突き抜けるような爽快感のある展開が一番良かった。大どんでん返しは昔観た『スティング』を思い出した。メイキングによると、親友のレッドがバスでアンディに会いに行くシーンで終わりのはずだったのだが、制作会社からの要望により最後の砂浜で二人が会うシーンが追加されたらしい。これは大正解だと思った。ラストの爽快感が完全に天辺まで突き抜けていった。

 少し気になったのは主人公の髪型である。受刑者にしてはヘアスタイルが決まりすぎていると感じたのは僕だけだろうか。勝手な解釈をするなら脱獄の穴を毎日掘っている事を悟られないためのカモフラージュかもしれない。

 ムービーデーターベースという映画ランキングサイトでは『ショーシャンクの空に』は1位である。確かにとても良い映画ではあったが流石に1位は過大評価ではないかと感じるところもある。なぜこの映画はここまで評価が高いのだろうか。色々考えたところ、その秘密はこの作品が醸し出す文学的、道徳的、理知的な雰囲気ではないだろうか。例えば人前で好きな映画を聞かれ、「教祖誕生です!!」と答えれば少しは笑いが取れるだろし、「ETです」と答えれば少しだけ子供っぽく思われてしまうかもしれない。あなたの好きな映画はと聞かれ「ショーシャンクの空に」は、無難でカッコいい響きがある。興行的には成功しなかったのも逆に後々の人気の下支えかもしれない。映画の真の評価は観客各々の感じたままでなければならないからだ。

 名作とか言われてる映画もまだまだ観てない作品があるから少しずつ観ていく予定。