dw821memories’s blog

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【映画感想】大脱出3

 前作のラストで登場した謎の黒幕は全く出てこない。その代わりに初代『大脱出』で密かにチームの裏切り者だったリーダーの息子が悪役で出てくる。その息子が親父の仇打ちとしてスタローンの関係者を新刑務所に拉致するという出だしなのだが、ここが異常に長くて間伸びしている。最初の1時間はそれだけの話だから本当に10分程度でコンパクトに纏められそうだ。「もうわかった」という出だしが本当に1時間ぐらい続く。

 新刑務所「悪魔砦」は迷宮らしいが、そこは殆ど、いや、全く描写されてない。新刑務所どころか昔ながらのオーソドックスな作りで、セキュリティーも甘く、扉も南京錠で閉める古風な雰囲気である。さらに今作は「大脱出」をしない。主人公達は地下や正面から仲間を助けに乗り込んでいき、すぐに牢屋の前まで来る。ボヤ騒ぎが起きてから囚人はほとんど勝手に脱出していく。前作までのようにスタローンが知恵や作戦を練って何とか脱出するのではなく、今作では逆に乗り込んでいく。ちょっと映画の主旨が前作までとは違うと思った。

 1時間ぐらい経った時、やっと事態が急展開して面白くなる。スタローンの妻が悪役にぶち殺されるという衝撃的なシーンの後、スタローンが一人の敵を10回ぐらい滅多刺しで殺害、さらにもう一人は鉄パイプで顔を一瞬に貫通させて殺害。なるほど、そう来たか。誰がどう見てもジョン・ランボーと化したスタローン。ラストバトルでも「俺の親父はクソ親父だった」「そんなもんかかかってこい」と恨みと怒りを炸裂させてボコボコにするランボー。スタローンは本当にこういう役が似合う。冴島大河風の相棒がショットガンでドラゴンブレス弾をぶちかますシーンも中々迫力があった。

 最初の1時間をもっとコンパクトにして、その後の展開を徹底的にバイオレンスに偏った方がもっと面白くなると思った。カンフーシーンも『北斗の拳』みたいにぶっ飛んだ方がもっと面白そうだ。全てが中途半端で一作目の『大脱出』からどんどんパワーダウンしてきている。ラストシーンで相棒から南米の新たな仕事に誘われるランボー。『大脱出4』に期待したい。