dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】日本統一55

 しぶとかった中森義雄が遂に死ぬ!!結局、裏で全部糸を引いているのは京浜連合の須永でやや間延び間があった。菅井総理(本物の菅総理にそっくり)まで須永と手を組んでいて、結局何もかも悪いのは須永なのだが今作ではしぶとく生き延びる。菅井総理があまりにも本物にそっくりで、しかも今作ではあまり良くない人物で描かれているから、本人側がもしこれを観たら一体どう思うのだろうか。本人に許可などをもらっているのだろうか。完全に似ている。

 終盤の香港マフィアに侠和会が乗り込むシーンはユリコが記者会見をする場面と交互に映し出されていて、音楽も静かなクラシック風の曲が流れていて、これは『ゴッドファーザー』のラストシーンに影響を受けているのか、それともオマージュなのか、少し気になった。ゴッドファーザーのネタが最近の回で使われていたので多分意図的だったのではと思う。

 久しぶりにキリのいい終わり方で、山崎メンバーが爽やかにピザを食いながら氷室蓮司が満面の笑みを浮かる。エンドロールの最後に渡辺裕之の追悼メッセージがある。この先のストーリーも若干変更が余儀なくされたと思うし、とても残念だ。『日本統一56』の前に外伝、テレビシリーズも順番に観て、今年4月公開予定の『氷室蓮司』までには日本統一を制覇する!

【映画感想】日本統一54

 フェンタミル殺人事件、八王子株買い占め、中森組と香港マフィアなど話が複数の軸で同時に進んで少しわかりにくいが中々見応えのある回。株買い占めは七人会の須永と宮園の策略で中森組は京浜須長と組んでいる。フェンタミル事件も京浜がたぶん絡んでいて次作以降で江戸川由利子がカジノ誘致関連を調べて突き詰めていく流れかも。宮園は渡辺裕之が演じていて敵味方の裏を掻く重要な役柄で、どこまで撮影が進んでいたかが気になる。氷室蓮司の「人の上に立てばそれだけ頭を下げる数が増える」という為になる台詞も中々良かった。

 今作で急展開が起きる。それは大成虎雄の逮捕。七人会の弟の店で切り崩しを計画した大成と若松一家がいきなり大喧嘩、駆け付けた田村悠人を庇って仕返しで組長を刺す(なぜか正当防衛にはならず)、他の客に一部始終を目撃されていたとの理由で田村が「証拠隠滅で全員殺す」と久々にメチャクチャな台詞の後、「俺が残ります」と大成が連行。ストーリー的には急展開で衝撃的。長い懲役になるという設定で第二の斎藤浩樹になる可能性がある。俳優にとっても事実上の降板になり、キャスティングの都合(大成虎雄の後釜が翁長照邦になる)によるかもしれない。山崎一門シリーズの表紙に途中から大成だけがいなくなっていたから少し気にはなっていた。大成虎雄は日本統一に新しい風を吹き込んでくれたキャラクターで『日本統一24』で大成がキャバ嬢を好きになった話辺りから、ただヤクザ同士の内容から時々カタギの人物もストーリーに登場してきて、さらに、コミカル色が急速に強まってきたのもこの辺りからだ。今のソフトな日本統一、特に山崎一門のコミカル色の方向性を決定付けたのは大成虎雄のキャラクターによる所も大きいと思う。長い懲役が終わったら再び日本統一に戻ってきてほしい。ところで、町田駿の懲役はいつ終わる!?

【映画感想】日本統一外伝 山崎一門6~神戸電撃作戦~

 遂に山崎組若頭補佐謙勇会会長石沢勇将が主役。山崎一門シリーズは日本統一初期には台詞もなかったような完全に脇役の山﨑メンバーが順番に主役を演じてきている。常にアクセル全開の山崎メンバーが集まると大声だけが鳴り響いて内容がいまいち分からなくなる時がある。46分30秒辺りの斎藤の台詞が聞き取れなかった。なんて言っているのか少し気になる。

 今作のストーリーは石沢の妹が彼氏に騙されて助けにいくという極めてスタンダードなもの。その妹が石沢に似ていて太っていてブスという設定なのだが、勝手にブスと決め付けて茶化す山崎メンバーにすぐに違和感を感じた。世の中にはデブやブスを逆に好む男性はいくらでもいるからだ。そう思いながら観ていたら、茶化す山崎メンバーにブチ切れて物を投げて注意する氷室がメチャクチャ面白い。笑いはタイミング、間合いが重要でアクセス全開すぎると面白くないのだが、今作では石沢がウンコを踏んで「しかも人間のじゃねえか」と言うシーンや彼氏が半グレに追い詰められながら「ブス専なんです」と叫ぶ場面は中々面白かった。

 前作はロッキーのオマージュで今作はダースベイダーが出てくる。音楽はそっくりだが見た目は完全に安っぽくガスマスクを付けているだけで最後は手榴弾を跳ね返されて爆死する。合成の爆風の後でファミコンみたいにパッと消える演出だが、細かいクオリティはさて置き、日本統一でもCGをどんどん活用して新しい状況や戦闘シーンを増やして物語に幅を利かせてほしい。どうしても定例会などの会話の場面が多くなってしまうのだが、CGなどのクオリティーは気にせずにどんどん新しい場面を作ってほしい。何が起きたのか分かれば大丈夫だ。今作も前作同様、もう少しストーリーに練りがあれば良いと感じだが、難しい事は一切ないので誰でも楽しめる。

【映画感想】ウォータームーン

 監督・原案・主演、長渕剛。山寺の修行僧になった長渕が主人公でオープニングから主題歌『しょっぱい三日月の夜』が流れてる。曲が素晴らしい。最初から釘付けになる。当時の長渕剛=小川英二(とんぼ)でもあり、まさに小川英二がそのまま修行僧になっていて、最初から普通にタバコを吸っている。同じ寺で修行をしている弟分の荻原聖人が他の修行僧からいじめられているのを助けるシーンは殴る蹴る、長渕キック、頭を焼くなど小川英二そのものを見る事ができる。また、政府の監視者役の1人は菅田俊が出演していて、さすがに若く、現在の日本統一の丸神会会長の時とはかなり違う。最初は全く気が付かなかった。

 寺で修行していた長渕が本当の悟りを得るため?に老師から東京の街に行けと言われて下山する。東京の人混みをただ一人達観した表情で逆走する長渕は自信に漲っていて、当時の長渕の勢いを感じられた。

 東京で野宿する長渕がいきなりエアーガン戦闘愛好家連中(当時流行っていたのか?)にちょっかいをかけられて、さらに腹を刺されて死にそうになる。場面が切り替わった後、長渕は旅館で働く盲目の松坂慶子に助けられた事になっていて怪我も治った事になっていた。

 その後、街中で荻原聖人と再会して金を稼ぐ為(後に旅館代と分かる)にパチンコをする。パチンコ屋に「打止したら景品交換」と掲示があって時代を感じた。今はもう打ち止め制はないと思う。街に出てきた荻原聖人はやりたい事が見つかって修行を辞めて水商売の道に進むと言う。長渕が「今までありがとう」と言い被っていた帽子を投げ渡す。お互いに手を合わせてお辞儀をして去って行くシーンで『しょっぱい三日月の夜』のピアノ版が流れていて、出会いと別れの切なさを感じるとても素晴らしいシーンだった。

 政府の監視者から長渕を匿う為に松坂慶子が旅館に火を放つ。半分自暴自棄の松坂に対して長渕が「私があなたの目になる」と言って(メチャクチャ感動した)次の瞬間、二人の旅のシーンに入る。火事の場面からずっと『しょっぱい三日月の夜』が流れていて、特に二人が線路の上を手を繋いで歩くシーンはあまりにも素晴らしいので、この場面は繰り返して10回以上観た。

 松坂慶子は交通事故で失明していて、血の繋がっていない娘がいて(事故で死んでいなかった模様)、その子に会いに行こうとする理由や状況がいまいちよく分からないが、美しいコスモス畑や長渕の音楽が重なって見事に場面を繋いでいた。

 後半、長渕が政府の追跡者に捕まって解剖されかける。「俺の目を松坂慶子に、願いはそれだけ」と手を合わせるシーンは最高。しかしその願いが叶わないと察すると、立ち上がって暴れまくり、科学者や菅田俊をいきなり捻り殺して、ビックリする。

 駆けつけた老師に哀しみをぶちまけた後、場面が急に切り替わって山頂の修行シーンに突入し、また場面が切り替わって松坂慶子が駆けつけて死にそうな長渕を抱きしめた後、長渕は超能力を発揮して松坂の目を治す。このシーンにも『しょっぱい三日月の夜』のオーケストラ版が流れていて、とにかく感動した。

 実は長渕が血液交換が必要な宇宙人で、それを監視する政府関係者が彼を追跡するという構成が浮きまくっているのは分かるが、その浮いた感じも独特な雰囲気があって(古めかしい山寺が出てきたと思ったら未来的な研究室が出てくる)思いのほか印象に残る場面が多くて、味のある映画だった。場面が急に切り替わるシーンや意味不明なシーンも、長渕の歌が流れてくると自然と受け入れられる。長渕最高。この映画の評価が低いみたいだが、僕には全く理解できない。シーンと歌や曲の調和が素晴らしく、令和の今に再評価されるべき。当たり前の男=長渕剛

【映画感想】日本統一53

 前回から一区切りで東友会壊滅後の新展開。新キャラの悠成会若頭翁長照邦(喜矢武豊)が初登場。いよいよ関東の城となる「氷室組」が立ち上がり物語の中心が関西から関東に変わっていきそうな展開。雑誌編集者ユリコが侠和会の突撃取材を行い、侠和会メンバーをゴッドファーザーの人物に勝手に当てはめていく。ちなみに、日本統一とゴッドファーザーは何から何まで違い過ぎる。全くの別物であり、キャラ設定は勿論、作風は丸っきりの正反対である。物語の中の侠和会や日本統一という作品自体にある種の市民権を得たような、フワフワしたノリが続いていく。

 初期の日本統一とは完全にテイストが変わってしまって軽いノリ、コミカル路線に益々向かっている。少なくとも今作では相当なまでにコミカルな演出が目立ち、侠和会と丸神会が笑顔で集合写真を撮ったり、雑誌編集者ユリコが主要ヤクザに突っ込みを入れたりする。コミカルでフワフワした雰囲気で「溜め」を作っておいて、そこから一気にそれをぶち壊すような展開が面白そうだと思う。今後、大宮和也のようなキャラは絶対に必要になってくるだろう。亡くなったしまった渡辺裕之演じる七人会のメンバーが反旗を翻す様子があるが、どこまで撮影が済んでいたのかによってストーリーが変わってくると思う。

 後半でカジノ反対派を侠和会が後押しする展開があるのだが、現実のカジノ政策も相当に遅れてしまっている。物語の中では香港マフィアがカジノ誘致に絡んでいてそれを侠和会が潰そうとする流れなのだが、実際はどうなっていくのだろうか。日本統一は実際の出来事(東京オリンピックなど)と話がリンクしている部分もある。カジノ政策が現実の世界でどう進展していくかで本作の中での扱い方も変わってくるだろう。

 香港マフィアと組んでいた中森組との銃撃に真正面からユリコが走ってきて流れ弾が当たりそうな場面で『日本統一54』に続く!その前に外伝やテレビシリーズも順番に制覇する。

【映画感想】血と骨

 ビートたけし(金俊平)の凄まじい存在感が光り、ストーリーのテンポもとても良く引き込まれた。昭和の下町のセットも大掛かりに作ってあって、豚の解体シーンやその肉にウジ虫が湧いてきたり、少し気持ち悪い場面も見応えがあった。2時間半が早く感じた。

 若い頃には好青年風だった金俊平がなぜあんなに凶暴になったのかは映画の中で理由は語られない。ただひたすら短気で暴れ抜くビートたけしが素晴らしい。台詞の言い回しも面白くて「〜けつかる」「捻り潰す」「勝手に死にやがれ」「働くぇえ」など味がある。金俊平は非常に短期で暴力的だが商才に長けて愛人も次から次に作ってエネルギーがある。行き当たりばったりでカマボコ工場を始めたら上手くいって、そこで稼いだ金を元に金貸しも始めたらそれも上手くいく。残業代を払わない事に文句を言った従業員に焼け石を顔にぶちかましたり、借金の取り立てに乗り込んで急須を口で噛み砕いてドスをかました後、自殺に追い込もうが関係なし。そして自分は2人目の愛人と四人も子供を作るなど、凄まじい勢いがある。ある意味、金俊平の生き方は男の理想にも思えた。

 喧嘩のシーンではそこらじゅうの物をぶち壊していくが特に、ガラス格子引き戸に親子でぶち当たって粉々に破壊するシーンが最高に面白かった。この割れたガラス格子がいい味を出していて、その割れた部分や透明な格子から人物がいる部屋を映すシーンが多々あって、それが絶妙な緊張感というか、またそれを再びぶち壊してしまうような緊迫感が常にあった。この映画にいつも映し出される「ガラス格子引き戸」がピリピリしたムードをより一層に引き立たせてくれた。

 娘の花子が自殺してしまう衝撃的なシーンの後、葬式に金俊平が道具を持って現れて次に何が起きるのか緊張感は高まるが、乱闘騒ぎになって集まった親戚同士、敵味方関係なく殴り合いが始まる。金俊平が誰彼問わず木刀で殴るシーンはコミカルチックな雰囲気すらあり、娘の自殺という悲壮感から、馬鹿は死ななきゃ治らないというドタバタ劇が始まる構成はとてもユーモアを感じた。そしてその場で脳出血で倒れる金俊平。その辺りから凶暴性は薄れ、ビートたけしが普段のお笑いで見せるビートたけしみたいになっていく。

 死にそうで死なない金俊平、結局最後まで生き延びる。ビートたけし以外の他の出演者もみんないい味を出していて、たけしファンはもちろん、映画好きには絶対にお勧めの作品だ。

【映画感想】劇場版 山崎一門 日本統一

 Vシネマの本編よりもカメラワークやカット割りなどの映し方が映画っぽく感じた。本編では同じ角度で一発撮りしたような場面も多いが今作は劇場版というだけあって少し違う。ビルの爆破シーンで久しぶりにCG演出がある。日本統一本編でもCGをもっと入れて欲しい!人物テロップが今作にはない。普通の映画のように話の中で誰なのか分かるようになっていて本編でもそうした方がいいようにも感じた。本編では脇役の川谷雄一の住み込みの用心棒の2人、サトルとタクが山崎一門と行動して活躍する。一方、何故か途中から宇垣竜次がいなくなってしまう。一体何が起きた!?

 作品全体のノリが常にアクセル全開と言おうか、山崎メンバーが常時「しゃあ!」「わー!」「オー!」「コロスゾー!」「よっしゃあ!」「ウォーシュ!!」と大声のみで騒ぎ続ける。随所に入るコミカルな演出も常にアクセル全開すぎて笑いに大切な「間」が無さすぎるようにも思えた。一番面白かったのは石沢勇将が一瞬たけしを真似て「ファッキンジャップぐらい分かるわこの野郎」と言う場面。言うタイミング、間が噛み合うとギャグが活きてくる。川谷雄一と坂口丈治が思い出話をする場面も良かった。丈治が黒幕の通称「マッドボンバー」に大ウケする理由がよく分からなかった。

 明るさと元気を与えてくれるような内容で、真似して実際に山崎一門みたいに声に出して「よっしゃあ!」「ういッシュ!!」と形から入ると本当にそんな気持ちになってくる。声に出して真似すると本当にそんな気分になる。元気がない時には形から入って真似てみよう。