dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】エクスペンダブルズ ニューブラッド

 前作から10年、冒頭からスタローン(バーニー)とリークリスマスが登場、見た目や雰囲気が全く変わってなく、特にスタローンもまだまだ健在という感じがした。出だしでいきなり超衝撃的な展開があって、エクスペンダブルズ作戦で悪党からミサイル攻撃をされるスタローン、被弾して火を吹く飛行機、クリスマスが作戦無視で助ける為に対空戦車に突撃、しかし火を吹きながら地面に派手に墜落、クリスマスが残骸を見に行くと操縦席でグチャグチャ黒焦げになったスタローンの姿が一瞬映し出される。いきなり主人公のスタローンが無惨に呆気なく死ぬ!!この展開に僕は流石にビビって、その場面があまりに衝撃的すぎて、その後の話があんまり頭に入って来なかった。結局、僕は最後の方までその余韻がずっと続いた。生きている可能性ゼロの主人公の死、今作はリークリスマスが主人公になるとは知っていたがこういう事だったのか。特にエクスペンダブルズシリーズは仲間が絶対に死なないノリがあったので余計に衝撃が強かった。間違いなく、久しぶりに感じた映画の中での衝撃感だった。

 その後、死んだスタローンの黒焦げの腕がいつも仲間が集まるバーに飾られていて、その指には毎回出てきた幸運の指輪が付けられていた。本当に死んでしまったショックの中、エクスペンダブルズメンバーは仕返し作戦を実行していくのが今作のスタートである。主人公を殺された仕返し感が強い今作は過去作よりも少しバイオレンス色が強く、雑魚敵を次から次に容赦なく殺していく。殺し方も躊躇わずに頭をぶち抜いたり、ナイフで頭を貫かせたり、彼らは罪を被らされた悪党なので観客側も情けを感じずに済んだ。

 後半は核弾頭を輸送する貨物船が戦場で、新しいメンバーと共にシリーズ恒例の無敵無双作戦を味わう事が出来た。安心して見ていられるが過去作よりも肉弾戦、接近戦が多く至近距離の殺戮が多い。雑魚どもを容赦なく蹴散らすエクスペンダブルズメンバー、これも全てスタローンの敵討ち。体感的には50人ぐらいは肉弾戦で殺しただろうか、爽快感抜群のバトルを味わうことができる。

 無敵無双状態の中、核弾頭の起爆スイッチと船の進行を変えるため、クリスマスだけが船に残る。「俺の命の分まで頼む」と仲間に告げて船の司令室に自爆覚悟で突っ込んで遂に、敵に完全に包囲されて万事休す。「もうすぐ会えるぜバーニー」、蜂の巣寸前に追い込まれる。遂にエクスペンダブルズ終焉で終わると思った次の瞬間、凄まじいどんでん返しが待ち受ける。衝撃的すぎるし、まだ公開してから間もないのでラストは是非とも映画館で確認して欲しい。

 シリーズを続けて観てきた人の方がスタローンが死ぬ場面に衝撃を受けると思う。過去作が売りにしてきた大物俳優の起用による演出は今作にはない。しかしシリーズの中で1番面白かった。過去作を一回観てから映画館に行く事をお勧めする!

【映画感想】日本統一外伝 山崎一門5~横浜死闘篇~

 川上章介の何らかの過去を掘り下げていく内容と思っていたらそうではなく、ただ横浜時代に喧嘩で負けた相手に再びタイマンを挑むという流れで全体的に話が浅くて薄い。山崎一門の過去の喧嘩話や仮想通貨の話がただ長い。過去に喧嘩で負けた事を深く悩む川上の理由がいまいち描ききれていない(なぜ今さらアポロはいつか越えなきゃならない壁なのか)。後半はロッキーの場面のオマージュが出てきて音楽まで似ている。しかし内容はロッキーとはまるで正反対で薄すぎる。

 アポロ(川上が横浜時代に負けた相手、今作の投資詐欺の親玉)が最近のヤクザを完全に舐め切っている様子や、狡賢く金を稼ぐ方法など、この辺りをもう少し掘り下げたら良かったかもしれない。ネズミ講は違法でマルチは合法らしい。ストーリーの練りが明らかに不足していて、ただアポロと無理矢理喧嘩するだけで終わる。正直、ひょっとするとゲーム『龍が如く』のサブストーリーより話の密度が薄く感じた(短いサブストーリーでも時々泣ける話や深みのある展開もある)。一本の話の密度を脚本の段階でもっと増やせると思う。相棒の宇垣竜次がカッコよく、熱の籠った演技を見せてくれた。

【映画感想】遊星からの物体X ファーストコンタクト

 前作から約30年ぶりの続編。前作の冒頭より少し前、ノルウェー隊の惨事がどのようにして起こったのかが描かれている。物語の内容が前作と殆ど同じで謎のモンスターにいつの間にか隊員が感染していって、グチャグチャになっていく人間、疑心暗鬼になっていく仲間など構成が同じ。しかし前作よりも作りがより洗練されていて、CGになってグチャグチャになって動き回るモンスター、ストーリーのテンポが特に素晴らしい。中盤の歯の詰め物があるかないかでモンスターかどうかを見極めるシーンはとても緊張感があって(主人公の女性が最初にその理由を言ってしまうのは一瞬どうかと思った)、そこからラストまでノンストップで推進力を落とさずに一気に進む。単純にとても面白かった。

 自分は前作をこの前に観たばかりなので今作でリンクしてくるシーンがすぐに分かった。謎の穴ボコ、二つの顔がある謎のモンスターの出来上がり方、壁に刺さったままの斧、それらの具体的な経緯が分かってくる。そして終盤に近づくに連れて気になってくるのはやはり前作の冒頭の犬とヘリコプターの場面なのだが、そこが一切説明がなくて終わったと思った途端、エンドロールの中で真実が分かってくる。前作を観ていないとこれらのシーンがただ普通の場面に見えてくるかもしれない。

 ラストシーンで主人公ケイトが焼き殺した仲間の男が本当にモンスターだったのかどうか、とても気になる。以前は両耳にピアスをしていたかもしれないし、勝手に外しただけかもしれない。ラストバトルでケイトが足をモンスターに掴まれている。実はケイトがその時に感染していた?モンスターの感染力は凄まじく少しでも触ったら潜伏状態のはず。

 UFOとモンスターの関係性が最後までよく分からなくて、グチャグチャになって襲ってくるモンスターと超科学的な巨大UFOの関連性がとても薄いようにも思えた。あのモンスターがUFOを作れるような生命体には到底思えない。UFOは実はモンスターに襲われて墜落した?その辺りの説明が物語の中で全くない分、想像力が膨らんでくるのがまた良い。この映画はもっと評価されてもいいはず。前作と今作をセットで観る事を強くお勧めする!

【映画感想】遊星からの物体X

 1982年のSF映画。南極隊員が謎のモンスターに密かに「感染」していくストーリー。最初から既に感染していた犬やモンスター化した謎の死骸が出てきて、元のルーツは今作では分からない。もう40年以上前の映画なのに全て模型で作られているクリチャーは今見ても凄くリアリティがあって、特に内臓やグチャグチャになって動き回る生首など素晴らしい出来栄えだ。特撮のレベルが特に当時は日本と全く比べ物にならない事が見て取れる。

 誰がモンスターに感染しているのか隊員達が疑心暗鬼になっていく様子がとても面白い。採血してチェックするシーンはコロナ禍のPCR検査バリのヒヤヒヤ物である。その検査に引っかかった途端(熱に反応する)、本性を出して変体して暴れ出し、周りの隊員が慌てふためく様子がメチャクチャ面白い。モンスターは熱に弱いらしく火炎放射器で焼き尽くす場面が頻繁に出てくる。コロナのように自分自身でも感染しているのか分からないのか、それとも感染を隠して体が乗っ取られたまま密かに行動しているのか、二つの描写が出てくる。感染していた仲間の1人は密かに脱出用のUFOを製作していた場面が出てきて、グチャグチャになって襲ってくるだけではなく、実は高度な知能もあるようだ。仲間がいきなりモンスター化する場面はビックリするし、腹がいきなり裂けてその部分が勝手に歯になって手首をもぎ取られるなど、少し笑える場面もある。

 ラストバトルが唐突でよく分からなくて、生き残った仲間の1人がモンスターに連れ去られて、もう1人はただ単にいなくなる。主人公の前にいきなり巨大モンスターが登場するのだが、これは消えた仲間を取り込んだ姿らしい。バトルもダイナマイトを投げてすぐに終わる。僅か数分でシーンの繋ぎや映像が明らかに足らず、どうやらストップモーションでボツになったカットや制作の都合があったと思われる。

 冒頭や中盤に幾つか謎があって、ノルウェー隊が巨大UFOを発見していて、何かを爆破しようとしている。雪で作られた四角の穴ボコは一体何だったのか。UFOの下りが物語に余り絡んでこなくて殆ど謎のままで終わる。UFOが何だったのか、どこから来たのか、彼ら自体がモンスターなのか、全く説明がなく今作ではその後の闘いのみが描かれていて、そこがまた視聴者の想像力を膨らましてくれた。次は『遊星からの物体X ファーストコンタクト』、観るしかない。

【映画感想】日本統一52

 東友会壊滅へ。黒幕の風見五郎が菊村みたいな暴走キャラになっていく。国家権力が背後にある設定なのだが最初から侠和会には勝てそうにもない雰囲気があった。鎌倉の御前の正体も前作あたりにそれとなく示唆する会話(影武者の話)があったような気がする。東友会に最後まで強さを感じられないままに物語は「最終決戦」に向かっていく。日本最大のヤクザ組織侠和会に別のどんな組織をぶつけても脅威にはならない気がする。

 しかし今作の最終決戦は日本統一史上最大のバトルが待ち受けていて中々迫力があった。鎌倉の御前の正面玄関から白昼堂々真っ正面から銃をぶっ放す氷室田村。手招きする風見。銃撃戦に駆けつける岩尾。マシンガンを乱射するヤクザも登場してスローモーションで横っ飛びで避けながらカウンターで弾き返す。銃撃戦の後は格闘戦、さらに日本刀で遂に氷室蓮司が東友会残党を次から次に斬り殺していく。いきなりバイオレンス描写が始まる!トータルで20人ぐらい殺した後、風見とのラストバトル。2vs1でフルボッコにされて田村の目潰しから氷室が庭に落ちてた石で何回も殴ってぶち殺す!突如として残虐バトルになった今作のラスト。やっぱりこういうノリの方がいい。もっともっと沢山人が死んだり、敵だけじゃなく味方も死んだりして急展開になっていって欲しい!

 その後、七人会を再編成して侠和会に立ち向かう丸神会。その場には亡くなってしまった渡辺裕之も出演していて、ここまでの話にはまだ殆ど影響してなさそうだ。これから本格的に物語に絡んでくるはずだったと思われ、残念だ。矢車会の跡目にパソコンオタク風の沢田博士に決まり、いきなり眼鏡を取って髪をかき上げて別人のようになり、京浜連合会会長が「おちょくってんのかこの野郎」と絶妙なやり取りがあって、今までの日本統一で一番笑えたシーンだ。今作で一区切りの日本統一、外野がいなくなって侠和会は本格的に関東進出へ。『日本統一53』の前に『劇場版山崎一門』や外伝を観る。出来るだけ順番に観ていきたい。

【映画感想】日本統一51

 今作よりタイトル画面がチェンジ!日本列島がいきなり斬り付けられて分断、今後の展開を示唆?丸神会の三田や迫田が急速に良い人化してきている為、今の雰囲気だと殺し合う雰囲気にはなりにくそうだ。日本統一は一回仲間同士になると再び争いに発展しにくい感じがある。

 オリンピック建設費の不正疑惑をクラブに通っていた議員が女性に口を滑らせている事を予想して氷室らは行動を起こす。銃撃戦や喧嘩シーンの合間にコミカルパートがテンポ良く挿入されていて、日本統一特有のノリが完成しつつある。クラブを経営していた矢車会会長がいきなり頭をぶち抜かれるシーンが面白い。もっと沢山人が死んだり、残酷シーンを増やしてほしい。コミカルパートの中で誰かがいきなり死んだりするのはどうだろうか?バランスが大事で偏りすぎるとつまらなくなるだろう。

 クラブでの変態や失言が仮にあっても彼らを追い詰めれるのかと思いながら観ていたが、最後はリストにない反対派議員を呼び込んで味方に付ける。国会ロビーで銃撃戦も警察が全く動けない設定になっていて、細かい事を気にしていたら逆に話が理解できなくなる。ラストで風見が「緊急招集七人会」と言うがイマイチ七人会のストーリーの絡みが元々弱く、さらに、七人会の1人を演じた渡辺裕之が突然亡くなってしまい、一体全体どうなるのか。『日本統一52』に続く。

【映画感想】エクスペンダブル・レディズ

 エクスペンダブルズ系第4作目は『エクスペンダブル・レディズ』。知っている女優はターミネーター3とロッキー4の2人で本家エクスペンダブルズの超豪華俳優のインパクトには及ばない。4人の女性受刑者が拐われた大統領の娘を救出するストーリーで、映像全体がザラザラしていて地味な雰囲気があった。話の脈絡が少し途切れ途切れで、ハンソロ風の案内人が戦闘を始めた途端に消えて、車が故障したからすぐに任務中止を願い出るがまたすぐに潜入ミッションを思い付く。仲間の一人を大富豪の娘に見立てて何故か一瞬でネットの情報を書き換えて敵を騙すシーンは有り得なさすぎて面白い。中盤の潜入作戦が唐突に始まって会話のシーンが長くて少し眠くなる。緊急電話番号のチップを普通に覚えずに何故か体に埋め込まれるのはどんな意味があったのかよくわからなかった。

 やや全体的な完成度や作りの密度は浅く感じられたが結構面白い場面もあった。メンバーの1人がポーカーの戦闘の後、シーンが切り替わったら突然裏切っていて、こういうパターンは何か理由があって裏切った振りをしている事が多いが、本当に最後までそのままで終わっていく。別のシーンでは格闘シーンがずっと続いた後にマシンガンの敵がいきなり乱射して出てきた瞬間、拳銃で頭をぶち抜いて呆気なく殺すシーンはユーモアがある。後半にメンバーが逆襲を仕掛けて捕まっていた女性達を助けて銃を渡して逃げる反撃ムードノリノリと思った次の瞬間、機関銃を持った悪党が現れて容赦なく乱射、女性全員死ぬシーンは少しビックリする。これら一連のシーンはいわゆる「予定調和」を無視したような作りでとても面白く感じた。予定調和を壊すような雰囲気は本家に期待していたが殆ど真逆のノリだった。今作ではそういう部分が少しぶっ飛んでいて「誰かがいきなり死ぬかも」という緊張感もそれなりにある。ラストでは実は核弾頭が入っていたミサイルが敵アジトを偶然直撃してるのか?(大爆発詳細不明。アジトにいた女性も死んでるはず?)破茶滅茶なノリは意外にも本家を超えた!?是非とも観てほしい一本だ。