名作中の名作とよく言われるゴッドファーザーを初めて観てみた。
とにかくテンポが速い。登場人物も次から次へと出てきて一回だと訳がわからなくなる。話がポンポン進む。マフィアのストーリーで全体的に暗く重い。観終わった感想は、決して万人向けではない深い人間ドラマが描かれたマフィアの映画で、名作中の名作との評価で期待していたが、少し退屈にも感じた。
もう50年も前の映画になる。やはり当時の評価と今になって初めて観る人の評価は違うのではないかと思う。たぶん当時はマフィア系の映画自体が珍しかったかもしれないし、単なるドンパチだけでなく、そこに複雑な人間ドラマを織り混ぜたことも斬新だったかもしれない。一番感じた事はスピード感で、昔の映画はとてもゆっくりしているが、ゴッドファーザーはとても速く感じた。シーンに前もって説明がなく結果だけでわからせようとする。会談で口を滑らした事を注意するシーンや、車が突然Uターンするシーンなど、いきなり始まる。その場面のみでそれが何を意味するかは大体分かるので、例えば、会談のシーンで相手に不利な事を言わせようと事前に打ち合わせるシーンや、尾行を警戒するためにわざと逆に進む事を前もって提案するシーンなどはないのである。
これらの最近の映画やドラマでよく使うシナリオや手法でも、当時では斬新であったのではと思う。元祖大スケールSF映画がスターウォーズなら、ゴッドファーザーは元祖マフィア系人間ドラマ映画かもしれない。たぶん日本の極道系の映画もかなり影響を受けているんじゃないかな。最初に出来上がったアイデアはすぐに後の作品が取り入れるから、それが当たり前になってくる。だから初めてその元祖を観ると、当たり前の映画のように感じるのかもしれない。
マイケルがレストランで二人を殺すシーンや、ロッキーのエイドリアン役のタリアシャイアが夫にボコボコに殴られるシーンが面白い。マフィアと絡んでしまっている歌手役もいい味出してる。
ゴッドファーザー2も観たら感想書く。
