dw821memories’s blog

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【映画感想】大脱出2

 こ、これは・・・。未だかつてここまでスケールダウンした続編があっただろうか。サイバー風、パソコン風、電脳風の新刑務所なのか、それとも予算の関係なのか、その映し出される空間はまるで近所のコミセンで借りれるようなワンスペースで、最初から最後までほとんどそこで殴り合いしかしない。本当にワンスペースで受刑者が喧嘩ばかりする。景色がそれだけしかないのが理由かどうかは分からないが、暗い照明の中で俳優の顔のどアップカットが多い。スタローンが墓場(前作の貨物船の刑務所)とは比べものにならないと言うが、どう見ても、スケールダウンしか感じられない。もう本当にコミセンの一区画(建物全体ではなく子供会とかで集まる時の小スペースのような場所)が新刑務所の全てだから。マップの構造も最後まで全く分からなくて、スタローンの冴島大河風の相棒が車で突入するシーンはマンホール(地下?)から行ったと思った次の瞬間に車で壁をぶち壊して新刑務所に侵入、マンホールに車ごと入れたはずはないし、もう場所が上か下かも全然わからん!想像図のCGのマップは奥行きがありそうだけど、実際に描かれている場所はコミセン風のスペースのみだから全く説得力がない。刑務所の構造、さらには地理的な場所ですら視聴者に対してあやふやなままで終わる。

 さらにこの映画の主演の位置付けすらもあやふやである。少なくとも予告編等では明らかにスタローンと相棒が主演のような宣伝だけど、実際はスタローンの部下役の中国人俳優が1番出てくる。そしてどうやらハリウッドチームと中国人チームが別々に撮影した場面が多いみたいで後からシーンを繋いだと思われる。なので中国人俳優パートとスタローンパートは分断されていて、最後の廊下で走るシーンだけ合同と思われる。その結果、途中でどっちが主役か製作側もついに訳が分からなくなってバランスを欠いたと思われる。前作ではスタローンとシュワがしっかり絡み合って共演してたけど、今作ではなぜか逆だから。

 途中で毒ガスの部屋の天井にちゃんと蓋があって全員簡単に脱出できたり、敢えて突っ込み所があるのは面白い。ラストで前作の墓場と今作のハデス(コミセン風刑務所)の黒幕が出てきてスタローンが「今から正体を暴く」と言ってハッキング風逆探知シーンに入る。と思ったらよーく見るとアルファベットが出てきていて、それがエンドロールだと気が付いた。いきなり終わる。次作では黒幕との闘いが待っている。『大脱出3』も絶対観る!