dw821memories’s blog

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【映画感想】インターステラー

 物語のスケール感、壮大感が凄い。次に何が起きるのかという推進力が途切れずに進んでいき、約3時間感動しっ放し状態。地球に謎の砂嵐が巻き起こって作物が絶滅していき、選ばれた宇宙飛行士が別の銀河の惑星を探しに行くストーリーで、冒頭に主人公クーパーの自宅の本棚から勝手に本が落ちてきたり、トラクターが勝手に自宅に集まってきたり、土星付近にワームホールがあったり、いくつかの謎を残したまま話が進んでいく。ちなみにこの映画の中ではアポロ計画は捏造された事となっていた。

 ワームホールを突き抜けて別の銀河へ行き、移住可能性のある惑星に調査に向かうのだがそこは重力の関係で1時間が地球の7年。20分程度(2〜3年)で調査を終える予定がアクシデントで数時間ロスして宇宙船に戻ると23年の月日が流れていた。23年経った割に宇宙船に残っていた仲間があまり老けていなかったようにも感じた。23年分の地球からのビデオメッセージが泣ける。孫が生まれていて嬉し泣きの次の瞬間亡くなったと後からの追加メッセージで悲し泣きに変わる。

 別の惑星では『オデッセイ』のワトニー役のマットデイモンが正反対の役柄で出てくる。一つ気になったのは資源が尽きて冷凍カプセルに眠っていた割には体格がガッチリし過ぎているように思った。『オデッセイ』の時にはちゃんとガリガリになっていた。これはひょっとするとミスかもしれん。壮大なスケールの話の中に対比するかのように1人の人間の「ただ生き延びたい」という行動原理がしっかりと描かれていた。

 物理的な設定はSF風の想像的な部分も多々ある割に納得出来るものだったが、ブラックホールに突入した辺りからSFを通り越してファンタジーになった印象はある。クーパーがファミコンのバグステージのような裏っ側に突入し、冒頭の本棚や重量の謎が解き明かされる。実際にブラックホールに人や機械が放り込まれたら流石にあんな展開にはならないだろう。もし本当にブラックホールに物体が放り込まれたらどうなるのだろうか?恐らく我々の知っている物体は全て分子、原子レベルで圧縮されてグチャグチャになって、人は当然一瞬で死んでる。作中のブラックホールの中の出来事は物理的には到底あり得ないけどストーリー的には面白い。

 ワームホールを作ったとされる「彼ら」は最後まで分からないままでクーパーによる憶測に留まる。程よく謎を残してくれた。ブラックホールの影響でさらに50年以上月日が流れて凄まじいフィナーレが待ち受ける。土星までの冷凍睡眠を除くと僅か数週間の出来事。2回目観て気が付いたのだが、冒頭のドキュメンタリー番組のおばあさんが実はクーパーの娘のマーフだって事。壮大過ぎる。まだ観てない人には絶対観てほしい一本だ。