dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】クイール

 犬(クイール)が主人公。子犬時代のクイールが可愛い。話の展開が淡々としていて、まるで絵本にそのまま映像をつけたような、ナレーションがあって場面場面がただ流れていくような、ゆっくりと分かりやすい映画。それは犬が軸にストーリーが続くため。誕生→育ての親→盲導犬センター→盲導犬盲導犬センター→育ての親、場面場面が続く。クイールに視点があるので仕方がない。もう少し人物描写にスポットを当てて脚色しても良かったのではと感じた。

 盲導犬を使うにも訓練が必要。盲導犬訓練センターに時として厳しいアウトレイジ風の教官がいるが、それも使用者や盲導犬を想っての事。検定に一度不合格になっても寄り添って慰める賢いクイール。自販機で酒を教える事も可能だ。僕は普段全く酒を飲まないので缶ビールに点字がある事を初めて知った。犬小屋で飼われるクイール。犬種や状況にもよるだろうが、最近は犬を室内で飼うことが多いのではないだろうか。クイールが犬小屋で雨の中や直射日光の下で過ごすのは違和感があった。時代が違うのか盲導犬だからなのか。

 使用者が亡くなってしまいクイール盲導犬期間は2年ぐらい。その後は盲導犬センターで7年暮らし、最後の一年は育ての親の元に帰ってきて最期を迎える。盲導犬としての活動も短いし、育ての親と暮らした時間も短く、淡々と別れを何度も繰り返す純朴なクイール最後の展開がかなりあっけなく、物語の軸がいまいち定まりきれないままラストシーンへ。ある意味、クイールの健気な一生を脚色せずに表した作品かもしれない。