dw821memories’s blog

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【雑記】他人を慮る感受性

 少し前に就職氷河期世代を対象とした職員募集で採用が決まった数名がメディアに取り上げられていた事があった。これを見て何を感じるか。もし自分だったら絶対に取り上げて欲しくないと思った。すぐに思った事は合格者の裏側にいる不合格者の心境。なんと1000人以上の応募があったらしい。数名の採用に対して不採用者は1000人以上。特に最終面接まで残って落ちた20人ぐらいの気持ちの悔しさは計り知れない。就職氷河期で大変だった世代、藁をも掴む気持ちで臨んだ応募者も大勢いた事だろう。そんな背景のある中で合格者をいちいちメディアで取り上げる意味が全く分からない。自分だったら喜んで取材を受ける気持ちには全くなれない。辞退したい。不採用者の気持ちや状況がよく分かるから。切羽詰まっている人だっている中、自分だったら大っぴらには喜べないし、話題として取り上げて欲しくもない。合格者には何の落ち度もないのにその取り上げ方によって誰かを傷つけてしまう。

 SNSで志望大学に合格できたとか、希望していた会社から内定をもらったとかを書き込んだら思わぬ事態に発展したという記事を見た。もちろん、心無いコメントを書き込むのは良くないが、うっかり気持ちが舞い上がったりすると裏側の人間の気持ちを忘れてしまう。不合格者、不採用者の嫉妬、妬み、やっかみ、全ての人間がそうではないにせよ不特定多数の中にはそんな気持ちを抱える人だって沢山いる。その辺の感覚をしっかり意識しないと知らず知らずの内に誰かを不快にさせたり、彼らの予想していなかった反応によって自分自身も大きく傷ついてしまう。他人を慮る感受性に個人も社会も敏感にならなければならない。