dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】君の膵臓をたべたい

 クール系男子の志賀春樹と膵臓の病気で余命わずからしい山内桜良。余命わずかな状況もあるのだろうが桜良は春樹に対してメチャクチャ積極的。暗い男子の設定の春樹だが桜良に対して結構そつ無く受け答えが出来る。2人とも少しマセている感じはある。少なくとも自分が高校生なら到底無理だったであろう状況がいくつかあった!ああいう距離感は僕にとってはやはり、映画の中だけの出来事と言える!!

 で、映画感想、メチャクチャ感動する。よく考えて作ってあるものだと思った。桜良はもう死んでしまっている事は最初からわかっているのだが、その原因は膵臓の病気だったと誰もが思うがそうじゃない。あと少しは生きてくれるだろうと思っていたらそうじゃなかった。いきなりいなくなってしまう桜良の出来事に対して、自分は今を本当に生きているのかと痛烈に考えさせられる。伝えられなかった想い、聞きたかった想い。それが突如、永遠にできなくなってしまった。あと少しは時間があると思っていたのに、そうじゃなかった。その辺の描き方がとても良かった。現在の春樹(小栗旬)の抜け殻状態の演技が上手すぎる。クール系男子がその出来事を引きずったまま暗い青年になってしまったようである。桜良の「出会いは偶然じゃない。お互いの選択がそうさせた」の台詞は深く考えさせられる。大人びている分、その言葉も深かった!

 さらに、物語はここで終わらずに、12年の時を経て怒涛の展開に。ラストの30分、感動の連鎖で畳み掛ける!ついに思い出の図書館がなくなる場面。ある場所が無くなってしまうと自分の思い出まで同時に消えてしまうような感覚に囚われる事は誰でもあるだろう。桜良はもういないし図書館も消える。そんな淋しい状況の中、偶然桜良の落書きを見つけて事態は急展開。そこを辿って発見したのは「聞けなかった想い」だった!!そのメッセージは春樹が最後に桜良に送ったメッセージと同じ結びになっていて、これはもう、感動。なるほど、そういう事だったのか。その想いは同じだった。春樹の霧は晴れ、大切な事を思い出し、退職願を破り捨てて明日へ向かってみたいな。思い出の図書館を閉鎖するというとても淋しい出来事がきっかけで桜良の最後の想いが伝わり、そして春樹が希望を取り戻す展開がすごく良かった。

 どうでもいいけど一つ思い出した事があって「ガム食べる?」といつもガムを差し出してくれる優しいクラスメイトがいるのだが、昔、あの状況が本当にあった。違うのはそれは本物のガムじゃなくてオモチャの形のガムで、手で取ろうとするとパチンとハジかれる代物。そういうオモチャが昔あったんだ。チューインガムの形したリアルなオモチャだった。