dw821memories’s blog

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【映画感想】エイリアン コヴェナント

 シリーズの中では特に『エイリアン2』が大好きで小学校時代に何回も繰り返して観た。『エイリアン4』で終わったと思っていて、つい最近まで続編がある事を知らなかった。今作を借りた後で気が付いたのだが、これより前に『プロメテウス』という作品があって、こちらはまだ観ていない。知っていたら順番に観たけど、こちらを先に借りたので飛ばして観ることになった。

 率直に思ったのは、やはり、エイリアンの起源や設定は謎のままでも良かったのではと感じた。謎だからこそ怖いし、奥深さにそれぞれの観客の妄想や想像力が加わって恐怖心も膨らむ。これを観て『プレデター2』のラストを思い出したのだが、その時、仲間のプレデターが出てきたり、彼らに実は社会性があったりするのが分かる場面があるのだが、あれを見た瞬間、プレデターの凶暴性や恐怖感が一気に薄らいだのをはっきりと覚えている。訳がわからない、何者かわからない謎の設定だからこそ面白い。今作の場合、エイリアンの起源は遡れば人工的なものであり、謎が解かれてしまったせいで今までのエイリアンの世界観が少し狭まって感じた。今作ではエイリアンの誕生秘話が核心部分で身も蓋もない感想かもしれないが、ちょっとだけそう思った。

 ストーリーの展開が意図的に初代や2のオマージュで作られているような気がした。話の進み方は初代にそっくりで、随所のバトルシーンで本来武器ではないクレーンや重機を使って戦う場面は2に似てる。何より主人公の設定もリプリーに似ていて、何人もいた仲間が一人ずつやられていき、いつの間にかダニエルズと数名のみになって、最後の方で主人公が主人公らしくなる展開、これも初代に似ている。で、この分かりきった展開がやっぱり面白くて、エイリアン独特の気持ち悪さがしっかり描かれていて、これだけで十分見応えがある。

 仲間のアンドロイドが同型の敵アンドロイドと入れ替わってしまう場面はすぐに分かった。これも意図的に簡単に分からせているのだが、これはもうちょっとラストぎりぎりまで分からなくするか、もしくは、明確に入れ替わったかどうかを今作では明らかにしないなど、もう少し「溜め」を作った方がよいと思った。フェイスハガーの卵を吐き出したり、ダニエルズが気が付いてしまう場面をあえてカットすれば、入れ替わりの真相を今作では視聴者に委ねる事が出来る。例えば、ラストの嘘の報告の台詞だけにすれば謎を残したまま、どんでん返しに「溜め」が出来る。エイリアンの起源もそうだし、ストーリーラインを早い段階で明らかにしすぎてしまった印象がある。

 ブルーレイの特典がボリュームがある。リドリースコットは出来るだけCGを使わずに実物に拘る。イラスト集や未公開シーンは番外編そのもの。その中で続編の内容を伺わせるものがあり、どうやらダニエルズから女王エイリアンが誕生する予定らしい。コヴェナント号の2000人の入植者が『エイリアン2』のエイリアン達の宿主?たぶんその辺を続編で描くはずだったのだがまだ製作されてない。続きが観たい。その前に『プロメテウス』を観なければ!