dw821memories’s blog

映画の感想などを書いていく予定です

【映画感想】A.I.

 20年ぐらい前、この映画を観た友達が「さすがスピルバーグだな」と言っていたのを思い出し借りてきた。高度な子供の人工知能ロボット(デビット)が難病で昏睡状態の息子がいる家族の元にテストを兼ねてやってくる。デビットに母親に対する「愛」をインプットし、その後、昏睡状態の息子が目を覚まして、そこからその家族とデビットとの葛藤やコミュニケーションを描いていく話と思っていたら違っていて、途中でデビットがトラブルを起こし、あっけなく捨てられてシークエンスが終わるところが意外な展開で面白い。

 家族編が終わるとロボット狩り編に突入して映画の雰囲気がガラっと変わる。他のロボットがまるでゾンビのように雑に扱われていて結構楽しい。途中で「ドクターノウ」という情報検索センターの場面があって、ここが少し時代を感じた。わざわざ情報センターに行く状況(例えば今はスマホがある)や、いちいちカテゴリーを選択して質問をしないとまともな答えが出てこないという不親切設定で、高度なロボットがいる割には検索の性能が低すぎる。

 2000年後の未来編は完全にファンタジーで宇宙時間という概念がなかなか面白い。本当に時空にありとあらゆる情報が記録されているかもしれない。そんな気がしてくる。

 デビットの愛は人工的な愛で、ただ盲目的にひたすら母親に忠誠心があるような、本質的には『ターミネーター2』のT800と変わらないような気がする。T800はただひたすらジョンコナーを守る事をインプット。守るためなら何でもする。機械的なプログラムにただ従っているだけなのだが最も父親らしいT800。その状態に近いものをデビットに感じた。さらに劇中に出てくる他のロボットが相当知能が高く、自発性もあって、ジョーやテディはデビットを思いやる能力がある。それこそ本質的な愛とも言える。他に出てくるロボットの知能が高すぎるため、デビットにプログラムされた愛の定義が少しあやふやで霞んで見えた。一方、T800は最後の最後で本当の愛に気がつくという、派手なアクションだけじゃない『ターミネーター2』はどこまでも凄い!