dw821memories’s blog

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【雑記】伝えられなかった感謝の気持ち

 中学3年の夏休みから卒業まで近所の学習塾へ通った。塾講師は皆熱心に指導してくれた。成績も伸びていき何とか志望校に合格することが出来た。確か試験日以降、塾には一度も行っていない。合格発表から数日後、1人の塾の先生から電話が掛かってきた。その先生は髭の生やした英語と社会担当の方で分かりやすく時にユーモアを交えながら熱心に教えてくれた講師だった。先生は「ところで試験はどうだったんだ?受かったのか?」と話し、僕は一言か二言だけ「はい、受かりました」と、どこかそっけない事を言い、短い電話はそれで終わった。そして塾の出来事はそれっきりで、長い間特に思い出すこともなかった。

 最近になってこの出来事を思い起こした。感謝の気持ちを全く伝えられず、それから一度も会ってもいないその先生の事を。15歳のあの時、試験に合格した安堵感、受験勉強からの解放感、そしてこれからの高校生活の事などしか考えていなかったのだろう、どういう訳か塾の先生の事など全く気にもしていなかった。しかも長い間、思い出す事もなかった。最近になってやっと思い出したんだ。僕はあの時の先生と今同じくらいの年齢だろうか。熱心に教えてくれた先生、生徒の合否が果たしてどうだったのか、気になるに決まっている。あっさりした電話の会話だけで終わってしまったあの出来事。なぜ、わからなかったのだろうか。やはり、そういう部分ではまだまだ未熟であったとしか言いようがない。もし戻れるなら、合格証書を持っていって「先生やったよ、受かったよ!!先生、熱心に教えてくれて、本当にありがとうございました!!」と伝えたい。直接会ってそう言わなければならなかった。

 人生にはいろんな後悔はあるが、感謝の気持ちを伝えきれなかった後悔もある。そんな後悔にならないように、常に感謝の気持ちを忘れないようにしなければ。先生、本当にありがとうございました。